2014/05/01

日本人の身体の四季とインドの夏

春と秋は寝違いの多い季節です。

特に春は寝違い・急性腰痛・こむら返り、いわゆる「スジ違い」のようなことがよくあります。

鍼灸師の教科書、「黄帝内経」によれば、春は肝の季節、肝は筋を司る、とのこと。

筋とは今の筋肉とは少しニュアンスが異なるようで、ちょっとスジばった部分や寝違いの時痛くなる首の奥のなんともいえないところ、を指すと思って下さい。

肝は東洋医学では「将軍の官」といい、動く時に命令と共にエネルギーを送り込む、エネルギーつまり「血」をコントロールします。

それがなぜこの暑いインドに関係があるのかというと、我々は、特に日本人のような四季のはっきりした場所に住む人は、身体もまた四季を持っています。

実際に常に脈をチェックしていると、弦(春)洪(夏)浮(秋)沈(冬)という変化が表れるのが普通です。

しかし4月にいきなり夏が来るインドでは身体の変化と合いません。
もちろんインドの人達はそのように育っていますので大丈夫です。

日本人にとって春は肝ががんばって、冬に収蔵したエネルギー、血を動かし夏にじゃんじゃん血を動かして汗をバンバンかく準備期間です。

それがいきなりこの暑さ、準備なしに100メートル走状態です。

しかも、湿気の無いバンガロールは、エアコンよりも天井ファンがメジャーなため、ついつい回したまま寝てしまったりします。

夜は肝に血を集め、じっくりと身体を休める時間なのですが、湿気がなく、風が当たるということは、体表を潤し、温めるために肝に集まるはずの血をまた使うことになります。

準備期間どころか夜昼問わず、フル回転してしまうわけです。

ですから日本の方は、エアコンを適度に使用し、夜は首ふり扇風機などうまく利用し、この季節をのりきってください。

身体に四季を持つ私たちにとって、インドの4・5月は最も厳しい季節です。
エアコンをうまく利用し、睡眠を長めにとりましょう。



                              東京ニュートラル指圧(バンガロール)山下洋平

0 件のコメント:

コメントを投稿