2014/01/24

癒着とヨガ

やりたいなーと思うことが浮かんだとき、行動に移すのをジャマしない脳と動ける身体は必需品です。

ジャマする脳とは「そうは言っても」とか「生活が・・・」とか現状維持するための言い訳を考えることです。

動ける身体とは、痛みとか過労とか病的な状態でないことです。

ヨガはこの二つをかなえやすいツールです。
そしてどちらも癒着が関係します。

脳は現状に居着く(武術・武道などで、動けなくなること)癖があります。
悪い状況でも、慣れてくると良い状況に移行することが億劫になります。
そこで、刷り込まれたリスクや「そういうものだ」という観念を利用して、行動しないことを選択します。
あるいは自己信頼からの行動ではなく、他人から与えられる価値や他人からどう見られるか、という価値観で行動することで、身動きがとりにくくなる。
状況への癒着です。

身体はミラーニューロンの影響が非常に強く模倣で動きが成り立っているようなものです。
模倣は身体にとって良し悪し関係なく親や周囲のひとの動きを写し取ります。
ちょっとした癖から、代々続いているような癖まで、オリジナルの動作というのはほとんどないように思えます。
これが繰り返されると、各所に癒着がおこります。
癒着がおこれば可動域はせばまりますので、ますます、癖のある動きが強調されます。
体型は先にあるのではなく、動きの癖によって、つくられていくものです。
反り腰、いかり肩、猫背、O脚、がに股などなど。

五十肩、腰痛、肩こりなどのわかりやすいものから、頭痛や内臓疾患、精神疾患まで、脳と身体の癖がかかわっています。

流行りや暴動、感染症など、社会現象にも関係してくるでしょう。

脳と身体の癖をカルマと言ってもよいのではないかと思います。
カルマを除いてブラフマンとアートマンが同一だと体感することがヨガの大きな目的とすると、癒着をとるのがヨガ、と言えなくもない訳です。


                  neutral base(ニュートラルベース)山下洋平


2014/01/22

癒着とタイチー


癒着の改善に最も有効なのは、意識的に動かすことですが、意識的に動かすということがどういうことかを解らなければできませんし、癒着している状態を把握しなければどうしていいのかわかりません。

そこで役立ってくるのがタイチーやヨガの動きです。
その他にもピラティスなどたくさんのワークや、ロルフィングなど、直接的に筋膜にアプローチする施術もありますが、ここでは私も経験している、タイチーとヨガをサンプルにお話しします。


なんでもそうですが、最初から先生と同じように動ける人はいません。
先生との違いがめやすになるところが動きを教わるいいところです。

タイチーはなんとなく同じ動きはできるようになりますが、ゆっくりとした、力みのない動きの連続なだけに、なかなか魂が入った動きができません。
逆に力強い動きや、素早い動きのあるものは魂が入った風にすることがしやすいのです。

しかし実際に「推手」という方法で先生や先輩と手を合わせて試してみると、力の入れ方や、出し方、方法が全く違うことに気づきます。
それはタイチーの動きの要素、姿勢や力の抜き方、動きの手順など、身についていれば、自然と出てくるもののようです。
もちろんそのための練習は必要ですが、基本は形の中で練習できるように構成されています。

さて、そのタイチーがなぜ癒着と関係あるのかと言いますと、一つ一つの関節に〝ここぞ〟という動きや位置があって、熟練者はそれが身についているため、魂が入った動きになってくるのです。

その〝ここぞ〟が明確になっていく過程で、関節の癖や癒着がとれていきます。
特に体幹部を固定し、背骨を立てた状態をキープしながら体重を移動し一連の動作をおこなっていくには股関節をフル活用しなくては、できません。

タイチーの要諦(重要な事)に、
①力まずにうなじを伸ばし、頭頂を意識する
②尾骨を巻き込むよう意識する(腰を反らず、しりを締める)
③両目、両肩、両股関節、両膝を水平にする
④胸を張らない
⑤つま先と膝の方向を合わせる
などなど・・・
内面的な事や、細かい技術を含めればまだまだたくさんの要点があると思いますが、この5つだけでも大変なことです。

これらのおおもとになるのが、下腹を締め股関節を使って歩く動作です。

ウナギをさばくのに、まず目を一突きして固定します。
それから一直線につー・・・とおろします。

癒着をとるとすれば、どこか一点を固定して、その他を動かすのが合理的なわけです。

解剖学的にも、力学的にも中心になる場所、骨盤、さらにその中心は肛門を締め上げたあたり、いわゆる臍下丹田になるでしょう。

中心を意識して上の5つの動きを生活のなかでおこなうことができれば、からだの癒着はどんどんとれていくでしょう。


                 neutral base(ニュートラルベース)山下洋平




意外とよくある癒着


癒着、なんていうと大きな手術後や、やけどの後をおもう方もいると思いますが、実はほとんどの人のからだの中でおこっていることです。

最近からだがかたくて、とか、長時間同じかっこうで仕事などした後、痛たっ、ということがあるものですが、筋肉や腱、筋膜(筋繊維をアメの包み紙のように覆うもの)の癒着が関係しています。

関節周囲の骨折をされた方はご存知かと思いますが、骨折に関係する関節をギブスやシーネで固定します。
場所や方法によりますが、約1か月固定すると、見事に動かなくなります。

これは筋肉が衰えたためではなく、癒着によるものです。

実際、私も肩関節、肘関節を約5週間固定された経験がありますが、肩、肘とも、可動域は10~20%ほどに低下しました。
100%の可動域と比較すると、全く動かないという印象で、痛みとあせりで冷汗が出る感じです。

当時は鍼灸学校に通っていたこともあり、皆の実験台になりながら、ひと月ほどで、生活に支障はなくなり、半年ほどで、左右同じ可動域に回復しました。

ここで、注目すべきところは、たった5週間で、癒着がここまで進むということです。
この場合は、骨折・固定、というわかりやすい過程がありますが、実は日常の中に、この固定と同じようなことがほんの少しずつおこっているのです。

関節を可動域いっぱい使うことは日常生活ではあまりありません。
特に座ることの多い現代生活では、股関節を曲げたままの状態で、過ごすことが一日の大半ではないでしょうか。

すると、曲げた状態で固定されるのととても似たことがおこります。もちろん完全な固定ではありませんので、状態は様々ですが、ほとんどの方にあるのが股関節をわずかに曲げた状態での癒着です。

この癒着により起こることは、見た目では、でっちり、下腹ぽっこり、反り腰や極端な前かがみ姿勢、ぎこちない歩行など。
症状として出やすいのは、腰痛、背部の凝り、O脚、夜間股関節痛、痔、内臓下垂、など多岐にわたります。

このような癒着は身体の各部で、少しずつおこってくるもので、あまり気づくことができません。

しかし、温泉などに行って、子どもとお年寄りを見比べると、(ごめんなさい)一目瞭然です。

この「癒着」に着目して施術をおこなうことで、快適なからだを維持するお手伝いをしております。


                neutral base(ニュートラルベース)山下洋平


2014/01/21

ニュートラル連呼!


やたらと「ニュートラル」を連発しますが、これには訳があります。
タブをクリックしていただければさらにたくさんのニュートラル。


今まで私自身、疲労、痛み、内臓疾患、関節の異常など改善しつつ、本当にたくさんの方々の施術を行い、痛感していることは、偏りが少ない方が楽、ということです。

筋肉や動きだけでなく、頭の中や、「気」も偏りが少ない方が日常生活がしやすいのです。

偏りが少ないことを表現するのに、ニュートラルという言葉は、都合が良い訳です。




これから、日々ブログに記載しつつ、タブの中の言葉にリンクをはっていきます。

どうぞよろしくお願いします。


                   neutral base(ニュートラルベース)山下洋平






2014/01/20

鍼灸マッサージ師です。


振り返ると子供のころから人の構造が好きだったようです。
ヒポクラテスは「人は部分の寄せ集めではない」と言ったそうですが、何か不思議な宇宙を感じずにはいられないのが人間です。


長いことマッサージや指圧、はり灸、運動療法など行っていますと、解剖学で習う「皮膚」とか「筋肉」といった概念ではないものが芽生えてきます。

触れているのは部分ですがそこから常に全体を見ているような感覚です。

施術も(マッサージやはり灸などを人に施すことを施術といいます)「マッサージ」とか「鍼」とかの言葉で表現できないものへと変化します。

ですから、「鍼灸マッサージ師です」と自己紹介するとき、いつももどかしさをおぼえます。


鍼灸やマッサージは当然からだにするものですが、「body=ひと」
ではありません。

body, mind, spirit という言葉がありますが、まさにこれを感じずには施術はできません。

そしてここにもう一つ、vital force(気、エネルギー)を加えたいところです。


小さな宇宙のモデルのような一つの細胞が何十兆と集まってできているわけですから、目で見えることだけでわかる存在ではないでしょう。



日本から出てしまえば、鍼灸マッサージ師、という国家資格は関係なくなりますが、培うことができた経験は私のなかで生き続けます。

これからの出会いと経験を想うと、楽しい気持ちです。

                  neutral base(ニュートラルベース)山下洋平








2014/01/03

2014年4月、バンガロールで開業にむけて

あけましておめでとうございます。
ニュートラルベースの山下洋平です。はじめまして。

私は現在、横浜市と川崎市にて訪問リハビリ・鍼灸マッサージ院を開業、姿勢の教室などのワークショップもおこなっております。

鍼灸マッサージを仕事として始めたのは18年前。
様々な鍼灸院、接骨院、マッサージ院などで経験を積んできました。
2010年に開業してからは、重い障害のある方や難病の方のリハビリを主におこなっています。


この間、太極拳、ヨガ、瞑想など自己鍛錬も楽しみながらおこなってきました。
今も毎日、稽古をおこなっています。


アジアの旅が好きで、特に南インドは好きな場所です。
 
自分や家族の成長、状況を考え、2014年がチャンスと思い、少しずつ行動に移し始めると、良いタイミングで出会う人に出会い、バンガロールに吸い寄せられて行くようです。

この数年間で、自己信頼の大事さを実感し、この「吸い寄せられる感じ」を大切に育てています。


4月から、本当の学びが始まる予感をひしひしと感じています。

neutral base 山下洋平