2015/04/24

首や肩の痛み

首や肩の痛みで鍼灸やマッサージ、整体の治療院を訪れるかたは多いのではないでしょうか。

特にこの季節、バンガロールでは気温と湿度の変化やエアコン、ファンの使用により「気・血」を酷使し肝や肺を傷め、腱・筋肉・肩関節の痛みや違和感などが多発します。
また、何となく調子が悪い、というのもこの季節に多いです。


特に日本で長時間暮らした私たちにとって、急激に来る乾いた夏は、身体がついていきません。

強い日差しを避け、ファンやエアコンはあまり使わずに過ごしましょう。
梅干しとお茶など、酸味と塩分、水分を補給し、食べ過ぎないようにしましょう。


さて、首や肩の痛みは機能解剖学的にみると、首の筋肉や肩関節周囲の一部の筋肉を使いすぎて、「快適」なところに戻れなくなっている状態です。

快適に戻るにはどうしたらいいのでしょう?

もちろん肩や首の筋肉を休めたりマッサージしたり、ということは考えられます。
しかし、それでは一時的です。

根本的な方法として、首や肩が無理なく使える動きや姿勢をつくるのが、遠いようで近道です。


では、無理なく使える動きとは…?



地球には重力があります。
重力がある、ということは、いつもひっぱられているということです。

人の身体は縦長ですから、上手に立てないとリキミだらけ、コリだらけになってしまいます。

上手に立てる=自然な状態=自然に立てる。

自然てどんな感じでしょう。
物理的に長いものを立てると、ななめや横向きは倒れやすく他の支えを必要としますが、まっすぐに立てると安定感があり、負荷が少ない感じです。

人の身体も同じで、前かがみや反りが少ない方が「自然」に近いのです。

しかし、長年の生活の中で、少しずつ「自然」ではないところができてきてしまいます

もちろん姿勢だけでなく、食べ物や環境、思考など、日々のすべてが関係していますが、ここではもう少し、姿勢にフォーカスしていきます。

さてさて、自然でないのはどこでしょう?

凝ってしまった肩や首、背中や何となく重いような痛いような腰も、自然な状態ではないでしょう。
しかし、その大元締めは、骨盤です。
骨盤のポジション、維持の仕方、と言ってもいいかもしれません。

解剖学でも、骨盤を中心に、起始(筋肉の始まり)・停止(終わるところ)がきまります。
動きも「腰を入れる」というとおり骨盤が中心になります。



では、骨盤をまずは良い状態にしたいですよね。
骨盤の良い状態とはどんな状態でしょう。


身体の基礎、基盤になるところですから、しっかりと固定できなくてはいけません。
骨盤を固定するのは、腹横筋という、腹部の深部筋(腹横筋)、骨盤底筋群、殿筋群です。

基礎が揺らげばその上に乗るものは補強を必要とします。
身体ではそれが「力み」ということです。

骨盤固定筋をよく使ってあげることがからだの基礎づくりに大事なことです。

ではどのように「よく使ったら」よいのでしょう?


まずは立つことと歩行が身体を変えるポイントです。

ただ立つだけではいつも使う筋肉が動いてしまいます。

そこで、
①立った状態で、肛門を締める➡骨盤底筋群、下腹を引っ込めてみる➡腹横筋
②その状態をできるだけキープして歩いてみる➡殿筋群
と、「立つ、歩く」がいわゆる骨盤固定筋をバッチリ使ったコアトレになってしまいます。
骨盤内も血行が良くなり、便秘や婦人科疾患にも有効です。

②は少し難しいですから、まずは①でコアトレしてみてください。

力まず、静かに、息を止めずに、がコツです。

骨盤の環境が変われば、そこから上の環境も変わってきます。
まずは基礎固めから。


NEUTRAL BASE   山下洋平