2014/12/17

太極拳 動きの分解

痛みやコリの出やすい動きと、そうではない動きはどんな違いがあるのでしょう?

少し難しい表現ですが、理学療法的な言葉、
「連合運動」・「分離」・「協調運動」
という3つの分類が役に立ちそうです。

連合運動は、自分が思っていない動きが出てしまい、本来の目的ができない、あるいはできても困難な状態で、動作に必要でない筋肉を多用します。

結果的に凝りや痛みの原因になります。
脳梗塞後の片麻痺などに多く見られます。

一般的には洗濯などを干すような動作で、腕を上げれば良いところを肩ごと上げてしまい肩が凝り、五十肩様の痛みが出たりすることです。
また、股関節の動きを腰や背中、大腿の裏側の筋肉で代償し、コリや痛みが出てしまい、時にぎっくり腰になったりします。

「連合運動」が多く入るほど、コリや痛みの原因になると考えてよいでしょう。


これらの動作を「分離」し「協調運動」に変えるのが、太極拳の動きです。


「協調運動」が上手くできるようになる前に、動きの「分離」が必要です。

太極拳の要諦には「分離」せずにはできない動きがたくさん含まれます。

代表的なものに、
・頭頂を静かに突き出す。(肩こりの筋肉を使わない)
・胸を張らない。(背中に力を入れない)
・尾骨を真下に向ける。(でっちり、反り腰にしない)
・肩の力を抜き肘をおとす。
・つま先、膝の方向をあわせる。

これだけでもかなりの集中力と、意図的な運動が必要です。

ふだん、肩上部や背中、腰の筋肉で「なんとなく」行っている動作を分解し、より効率よく、合理的に動くために骨盤(丹田)を中心にし、背骨を中芯にしてその他を自由にコントロールするための基礎をつくります。

「なんとなく(連合運動)」➡「意図的(分離)」➡「合理的・自然な動き(協調運動)」の流れが太極拳の練習の中に組み込まれています。

あまりあわてず、じっくりと行うことが大事なようです。


NEUTRAL BASE 山下洋平

















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